この記事を読んでいるあなたは、
- クリア塗装について知りたい
- クリア塗装が向いている、向いていないケースを知りたい
- クリア塗装のメリット・デメリットを知りたい
上記のように考えているかもしれません。
今回は、そんなあなたに向けて「クリア塗装について、クリア塗装が向いている・向いているケース」などをお伝えしていきます。
クリア塗装とは
クリア塗装とは、塗料の色のもととなる「顔料」が入っていない、透明な塗料を使って行う塗装のことです。
クリヤー塗装と呼ばれることもあります。
一般の塗料には、色を出すための「顔料」が含まれています。
この顔料が、塗料の色を決定する役割を果たすのです。
一方、クリア塗料には顔料が含まれていないため、塗料自体に色はついていません。
そのため、塗ると元の素材の色がそのまま透けて見え、素材の美しさを損なうことなく保護できます。
クリア塗装が向いているケース
クリア塗装は、外壁の素材感を最大限に活かしたい場合に最適な塗装方法です。
特に、以下のようなケースでは、クリア塗装が向いています。
- デザイン性の高い外壁
- 新築・リフォーム直後
- 素材本来の美しさを重視したい場合
それぞれのケースを解説していきます。
デザイン性の高い外壁
デザイン性の高い以下のような外壁は、デザインを活かすためにもクリア塗装が向いています。
- タイル調
- レンガ調
- 石材調
- 木目調のサイディング
- コンクリート打ちっぱなしの外壁
元々の外壁のデザインを活かしたい場合はクリア塗装を検討するのもおすすめです。
新築・リフォーム直後
クリア塗装は、下地が透けて見えるため、新築やリフォーム直後の、劣化が少なく状態の良い外壁に施すのがおすすめです。
素材本来の美しさを重視したい場合
クリア塗装は、木材や石材など、自然素材の風合いを大切にしたい場合に適しています。
また、他の家と差をつけたい、個性的な外壁にしたい方にもおすすめです。
クリア塗装が向いていないケース
クリア塗装は、すべての外壁に適しているわけではありません。
クリア塗装が向かないケースは、以下のとおりです。
- 劣化が進んでいる外壁
- 特殊なコーディングが施された外壁
- 金属系サイディング
- 補修が必要な外壁
それぞれのケースを解説していきます。
劣化が進んでいる外壁
ひび割れやコケ、汚れなどが目立つ場合、クリア塗装ではこれらの劣化を隠すことができず、かえって目立ってしまう可能性があります。
特殊なコーティングが施された外壁
光触媒、フッ素、無機などのコーティングがされている外壁は、クリア塗料との相性が悪く、塗膜が剥がれやすくなることがあります。
また、特殊なコーティングとの相性が悪く、既存のコーティングとクリア塗料が反応し、剥がれや変色を引き起こすことがあるため注意が必要です。
金属系サイディング
表面がツルツルしているため、クリア塗料との密着性が低く、剥がれる可能性があります。
補修が必要な外壁
欠けやひび割れなど、補修が必要な箇所がある場合は、クリア塗装だけでは適切な補修ができません。
クリア塗装が向かない理由は、透明な塗料のため、下地の状態がそのまま見えてしまうからです。
劣化や補修跡などが隠せず、美観を損なう可能性もあります。
クリア塗装は、外壁の状態や素材、そして、どのような仕上がりを希望するかによって、最適な塗装方法が異なります。
クリア塗装を検討する際は、必ず専門家に相談し、適切な方法を取りましょう。
クリア塗装のメリット
クリア塗装のメリットは、大きく分けて以下の点が挙げられます。
外壁の色や柄を残せる
クリア塗装は、外壁の色や柄をそのまま残したい方におすすめの塗装方法です。
従来の塗料には顔料が含まれているため、新しい色が既存の色を覆い隠してしまいます。
そのため、外壁のデザインは大きく変わってしまいます。
しかし、クリア塗装なら顔料を含まない無色透明な塗料を使用するため、その心配はないでしょう。
まるで何も塗っていないかのように、外壁の素材感やデザインをそのまま活かせます。
外壁を長持ちできる
クリア塗装は、外壁の美しさを保つだけでなく、建物の寿命を延ばす効果も期待できる塗装方法です。
クリア塗装は、外壁を紫外線や雨風から保護するバリアの役割を果たします。
これにより、外壁の劣化を遅らせ、建物を長持ちさせることができます。
クリア塗装の表面は滑らかで、汚れが付きにくいのが特徴です。
そのため、定期的な清掃の手間が省け、美観を長く保てます。
また、一部のクリア塗料には、防カビ・防藻効果が備わっており、外壁にカビや藻が生えるのを防いでくれます。
外壁に艶を出せる
クリア塗装は、外壁に美しい光沢を与え、見た目を格段にアップさせられます。
透明な塗料が、外壁に深みのある光沢を与えてくれます。
クリア塗料には、光沢の強さが異なるものがあり、ご自身の好みに合わせて選ぶことができます。
光沢によって建物の印象がぐっと上がり、高級感漂う住宅へと変貌を遂げるでしょう。
工期と費用を抑えられる可能性がある
クリア塗装は、従来の塗装と比べて、工期と費用を抑えられる可能性があります。
その理由は、下塗りの工程が不要な場合が多く、塗装回数が少なくなるからです。
クリア塗装は、既存の外壁の色や柄を活かすため、下塗りで色を塗り替える必要がありません。
下塗りの工程が削減されることで、全体の塗装工期が短縮されます。
また、従来の塗装は、下塗り、中塗り、上塗りの3回以上の塗装が必要なことが多いです。
一方、クリア塗装は、基本的に1回または2回の塗装で済みます。
塗装回数が少ないため、作業時間が短縮され、結果的に費用を抑えられます。
さらに、既存の外壁に直接塗布するため、特別な技術や材料が不要です。
これにより、施工が簡略化され、費用が抑えられる可能性があります。
チョーキング現象の抑制
クリア塗装のメリットの一つに、チョーキング現象の抑制が挙げられます。
チョーキング現象とは、外壁の塗膜が紫外線や風雨によって劣化し、表面が粉状になって剥がれ落ちる現象のことです。
まるでチョークで黒板に書いた文字が消えていくように、塗膜が白く粉をふいた状態になることから、こう呼ばれています。
チョーキング現象が進むと、外壁の美観が損なわれるだけでなく、塗膜の保護機能が低下し、建物の寿命を縮める原因にもなります。
クリア塗装は、顔料を含まない透明な塗料であるため、従来の塗料のように紫外線による顔料の劣化が起こりにくいです。
そのため、チョーキング現象が発生しにくく、外壁の美しさを長期間保つことができます。
クリア塗装のデメリット
クリア塗装には、前述したように多くのメリットがありますが、以下のようなデメリットもあります。
劣化症状が生じる前に塗装を行う必要がある
クリア塗装は、劣化が生じる前に塗り替えが必要である点がデメリットといえます。
なぜなら、顔料を含んでおらず透明な塗料であるため、劣化症状が生じた場合に隠すことができないからです。
一方、色付きの塗料で行われる塗装は、一般的に劣化が進んでから塗り替えます。
色が付いているため、多少の劣化であれば隠せるからです。
したがって、クリア塗装は、一般的な塗装よりも早めに施工しなければなりません。
劣化症状が生じてからでは遅いと認識しておきましょう。
傷やひび割れが透けて見える
クリア塗装は、透明な塗料の膜によって外壁を保護する役割があります。
外壁に傷がひび割れが生じていた場合、透けて見えてしまうためデメリットとなってしまいます。
色付きの塗料であれば隠せますが、クリア塗料自体は透明であるため隠せないのです。
傷やひび割れが補修されていたとしても、補修の跡は透けて見えます。
透けて見えてしまうと、美観を損ねる可能性もあります。
ひび割れなどの保護はできない
クリア塗装は、ひび割れなどの保護ができない点もデメリットです。
クリア塗装は透明な塗料で、既存の外壁の色や模様をそのまま残すために使用されます。
そのため、塗膜自体が非常に薄く、ひび割れなどの物理的なダメージに対して十分な強度を持たせていないのです。
また、既存のひび割れにクリア塗装をしても、ひび割れの広がりまでは防げません。
むしろ、塗膜がひび割れに沿って剥がれてしまう可能性があります。
クリア塗装の注意点
クリア塗装は、外壁の美しさを保つ優れた施工方法ですが、いくつかの注意点があります。
- 新築から約10年が目安
- 外壁の状態が良好であること
- チョーキング現象がないこと
- 下地処理が適切に行われていること
それぞれ解説していきます。
新築から約10年が目安
新築から時間が経ちすぎると、外壁の劣化が進んでいる可能性があるため、クリア塗装ができない場合があります。
外壁の状態が良好であること
ひび割れやコケ、汚れなど、目立った劣化が見られないことが大切です。
チョーキング現象がないこと
外壁が粉をふくように白くなっている状態をチョーキング現象といいますが、この現象が起きている場合は、クリア塗装はできません。
下地処理が適切に行われていること
新築時に特殊な塗料が使われている場合や、コーキングがされている部分は、クリア塗装ができないことがあります。
クリア塗装は万能ではない
すべての外壁にクリア塗装ができるわけではありません。
建物の状態や、使用する塗料の種類によって、施工できるかどうかが変わってきます。
定期的なメンテナンスが必要
クリア塗装は、通常の塗料よりも耐久性が低い場合があるため、定期的な点検と塗り替えが必要です。
クリア塗装は、外壁の状態が良く、新築からあまり時間が経っていない建物に適した塗装方法です。
しかし、すべての建物にできるわけではなく、建物の状態や使用する塗料の種類によって、施工できるかどうかが変わってきます。
また、クリア塗装は、通常の塗料よりも頻繁なメンテナンスが必要になる場合があります。
クリア塗装の種類
クリア塗装は、艶の調整や塗料の種類によって、仕上がりが大きく変わってきます。
艶の選び方は、以下のとおりです。
- 艶あり:光沢感が強く、まるで新築のような美しい仕上がりになります。
- 3分艶あり:艶ありと艶消しの中間的な光沢感で、上品な印象を与えます。
- 艶消し:光沢がなく、落ち着いた印象を与えます。
また、クリア塗装には、水溶性と油性の2種類のタイプが存在します。
水溶性は価格が安く扱いやすいのが特徴です。
しかし、耐久性は油性よりも劣ります。
一方、油性は耐久性が高く、美しい仕上がりになりますが、乾燥時間が長く、施工が難しい場合があります。
クリア塗装でおすすめの塗料は、
- アクリル系クリア塗料
- ウレタン系クリア塗料
- シリコン系クリア塗料
- フッ素系クリア塗料
の4種類です。
それ以外にも、 耐候性が高く、長期的に美しさが保てる無機クリアや、紫外線による劣化を防ぎ、塗膜の寿命を延ばせるUVプロテクトなどがあります。
アクリル系クリア塗料
アクリル系クリア塗料は、塗膜が硬く、耐水性・耐候性に優れている点が特徴の塗料です。
主に、木工品や金属製品、プラスチック製品など、幅広い素材の表面保護や美観の向上に使用されています。
アクリル系クリア塗料の種類は、主に以下の3種類です。
- 水性アクリルウレタン塗料:耐久性が高く、プロ向けの高級塗料です。
- 水性アクリル塗料:DIY向けの塗料で、手軽に扱えます。
- 油性アクリルウレタン塗料:光沢があり、高級感のある仕上がりになります。
ウレタン系クリア塗料
ウレタン系クリア塗料は、塗膜にウレタン樹脂が含まれているクリア塗料です。
ウレタン樹脂が、塗膜に高い強度と耐久性を与え、美しい光沢を出してくれます。
ウレタン系クリア塗料の種類は、2種類あります。
1液型ウレタンクリア塗料は使いやすく、手軽に塗装できるのが特徴です。
耐久性は2液型に比べるとやや劣る場合があります。
2液型ウレタンクリア塗料は、硬化剤と混合して使用するタイプで、1液型に比べて耐久性、光沢、密着性が高く、プロ向けの塗料です。
高度な仕上がりが求められる場面で使用されます。
シリコン系クリア塗料
シリコン系クリア塗料は、塗膜にシリコン樹脂が含まれているクリア塗料です。
シリコン樹脂が、塗膜に高い耐候性、撥水性、防汚性を与え、長期間にわたって美しい状態を保ちます。
フッ素系クリア塗料
フッ素系クリア塗料は、フッ素樹脂を主成分とするクリア塗料です。
フッ素樹脂は、高い耐候性・撥水性・防汚性を持ち、非常に優れた耐久性を誇ります。
そのため、外壁や屋根など、過酷な環境にさらされる部分の保護に最適な塗料として知られています。
クリア塗装の費用相場
クリア塗装の費用相場・耐用年数は、以下のとおりです。
塗料の種類 | 費用相場 | 耐用年数 |
アクリル系クリア塗装 | 1,000~2,000円/㎡ | 5〜7年 |
ウレタン系クリア塗装 | 1,200〜2,500円/㎡ | 10〜12年 |
シリコン系クリア塗装 | 1,900〜3,500円/㎡ | 12〜15年 |
フッ素系クリア塗装 | 3,500〜5,200円/㎡ | 15〜20年 |
費用相場および耐用年数は、あくまでも目安です。
クリア塗装の費用相場は、一般的に色付きの塗装よりも10~20万円ほど安いと言われています。
実際の費用は、建物の大きさ、塗装面積、使用する塗料の種類、地域、業者などによって大きく異なります。
クリア塗装は、費用を抑えたい方や、既存の色を生かしたい方におすすめの塗装方法です。
しかし、必ずしも費用が安いとは限りません。
複数の業者に見積もりを依頼し、自分にあった塗装方法を選びましょう。
不明な点などがあれば、業者に質問することも重要です。
クリア塗装まとめ
ここまで、クリア塗装についてや外壁のメリット・デメリット、外壁に向いているケースなどについて解説してきました。
私たちは「外壁塗装プロ」、愛知県小牧市を中心に活動する外壁塗装の専門家です。
小牧市周辺の皆さまの住まいの美しさと耐久性を守るため、壁の塗り替えや防水工事を手がけています。
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